夜明けまで15,000マイル (2004年9月〜2010年5月まで)

今日も、うまいぞいや!その4



「マンプリちゃん、すまん!」

私が業務多忙に勤(いそ)しんでいると、
「うまいぞいや」のご主人、哲さんから、そんな電話が入って来た。

そう、
その日は、夕方から、哲さん一味と麻雀する事になっていたのである。

「いやぁ、ずんの奴、熱出して、45度もあるらしいんやわ。」

確かに、そいつは一大事。
メンバーのずんさんがそんな状態では、これから麻雀なんて出来ようはずもない。

「まぁ、せっかくやし、夕方一緒に焼肉でも食う?
 てむぞうのオゴりで!」

そうだった。
どんな経緯(いきさつ)なのかは忘れたが、
麻雀前に、てむぞう氏が焼肉をオゴってくれる事になっていたのだ。

「そんじゃ夕方、もっ回電話入れるわ!」

そう言い置いて、哲さんは電話を切った。

いやぁ、持つべきものは、やはり師匠だなぁ。
久しく、そんな上等なモンは口にしてないもんなぁ。

否が応でも高まる期待。

焼肉、焼肉〜^^

カルビに夢を馳せ、
豚バラに心躍らし、
牛タンに血気が逸る。

仕事にも気合が入るっちゅうなもんやん!

で、待ちました。

ところが―、

待てど暮らせど、一向に電話なんて掛かって来ない・・・。

晩も、8時になろうかと言う頃、
さすがに、痺れを切らした私は、しゃーなし、哲さんに電話してみる。

すると、これがまた、見事に―、

つながらん・・・。

全然出る気配ナッシング!

よーし、てむぞう氏も一緒にいるはずだ。
こっちに、ちょっと電話してみよう。

プルル、プルル、

「はい、は〜い、もし〜?」

・・・。

すっかり良い塩梅(あんばい)に出来上がってる声、てむぞう氏。

「さっき焼肉喰い終わって、今『あたごおる』で飲んでるトコだよ〜ん^^」

な、何ーーっ!

「ありゃ、哲の奴、マンプリちゃんに連絡してなかったっけ〜?」

ひ、酷ぇっ!

しかも、
電話越しに、これまた、めーっちゃお調子付いた哲さんの笑い声が聞こえてくるっ!!

「あ、ごめーん!電話するの忘れとったわ!」

てむぞう氏から電話をスイッチした哲さんが、
全く不届きにも、めーっちゃ上機嫌を少しも隠そうとせず、私にそう言って来た。

「ホント、ごめん!
 この落とし前はキッチリ・・・、」

そりゃそうだ。
こんな惨(むご)い仕打ちを、味わったのだ。

「てむぞうに、やらせっから!」

あぁ、
遠くの方で、「何で、わしやねん!?」と言う、てむぞう氏の声・・・。

カルビ、豚バラ、牛タン・・・。

私は誓った。

もし私が、家族三人で雪山のホテルに移り住み、
余暇を通じて、一本の小説を書きあげようとするならば、
恐らく、こんな文面をタイピングするに違いない。

「哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。哲さんに、ブッチされた。」

っきしょーっっ!
2004年09月28日(火) No.1387 (プログレ割烹うまいぞいや哲)

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