夜明けまで15,000マイル

そう言えば、今まで旅行記なんざ、ろくすっぽ書いた試しがなかったのだけども、
不思議とセントマーチン島の事については、結構、マメに更新させて頂いている。

はて？

と訝しむ声も聞こえてきそうだが、いやいや、動機は割合単純で、
今回の家族旅行を企画するにあたって、
セントマーチン島に関するネット情報が余りにも少なかったものだから、
（特にグランドケース周辺の情報。）
まぁ、役に立つかどうかは別にして、一応、何某かの情報を残しておこうかな、と思ったのである。

けど、そんな柄にでもない事を思いついてしまったおかげで、
ふにゃぁ、書かなきゃいけない事が、まーだまだあるんだな、もし～。。。。。

と言う事で―。

グランドケース最後の夜、つまり、セントマーチン島最後の夜について、
チャッチャと書かせて頂く事にしよう。

「グランド ケース ビーチ クラブ」からレストラン街まで、
てくてく歩いて行くのもこれで3度目となるものだから、もう通い慣れたもの。
（まぁ、一本道だから迷いようがないんだけどね。）

けど、いつ見ても、夕刻に訪れるこの海辺のシーンは心にグッと来るなぁ。

で、我々御一行がトライさせて頂いた三軒目のレストランと言うのがやね、
「Le Ti Provencal」っちゅうフレンチのお店だったんだけど、
いやぁ、三日間通った店の中で、間違いなく、もう Best Of Best！

次回、セントマーチン島へ来る機会があったなら、
是非とも、もう一度訪れてみたい店となったのであーる。

けど、初日に訪れた「LE TASTEVIN」もそうだったんだけど、
フレンチと言う割には、お値段も結構良心的。

そんなに高い物もオーダーしていなければ、
ざっくり一人5,000円くらいでンマイ！馳走にありつく事ができる。

この日は、どこの店でもよく見掛けたドミニカ共和国産の「Presidente Beer」を注文させて頂いて、
レッツスタート！

で、私が、グビグビ、その「Presidente Beer」を呑んでいると、
店員のお兄ちゃんが、わざわざ今日の魚（素材）を持って来てくれて、
これはこんな魚だとか、こんな味だとか、一個一個、親切丁寧に説明して下さる。

けど、このお兄ちゃんも、やはり、おふらんす訛りの強い英語だったものだから、
あらぁ、残念ながら、さーっぱり分からなかったんだなぁ、これがまた。。。。。

ホーント、ゴメンよ、お兄ちゃん！

そして、それからしかる後、最初にやって来たのは、フランスパンのカリッカリに焼いた奴。

真ん中に置いてある、黒いツブツブをガサッとパンに練り込んで食べてみると、
いやはや、何とも、ンマ～イ！ンマ～イ！ンマ～イ！
（何だろう？トリュフと何かを合えた奴？）

するってーと、こう言うパンには、やっぱ赤ワインだっちゅう事で、
カツーン！と行かなきゃ男がすたるヨおっかさん、
素直に頂戴させて頂く事にする。

で、ノンベがノンベらしく、あぁ、赤ワイン、赤ワイン、赤ワイン・・・・・と拝みながら、
臓腑にたっぷり染み込ませていると、ふと窓辺からは段々と暮れ行く海岸線。

いやぁ、灼熱のマホビーチは、ホーント、大変だったなぁ。。。。

なーんて言う、何やら心地の良い記憶がじんわりと蘇って来ちゃったりして、
赤ワインも余計にンマく感じて来てしまう。

ホーント、自分、よくやったぜ！的な労いの酒。

しばらくして、ようやくメインのシーフードパスタが運ばれて来ると、

プリンケツ！プリンケツ！

いやいや、プリップリのエビやら貝やらがドドーン！とミックスされたエライ豪華仕様版。

おおぅ、何やら、セントマーチン島最後の夜を、
華々しく祝福してくれているように見えるんだな、もし～。

もつろん、このパスタも、ホーント、ンマ～イ！ンマ～イ！ンマ～イ！

ちなみに、これは MY SONが注文させて頂いたメインディッシュなんだけど、
よくそんなに肉ばっかし食えるなぁ、
なーんて思ってしまうのは、やはり、私がオッチャンだからなんだろうか？

しかも、デザートを食いながらでも、まだまだ赤ワインを煽ってるっちゅう私は、
えぇえぇ、ホーント、ろくでもないオッチャンですわ。

ほろ酔い気分で千鳥足。

店を出た瞬間は、いつものように日はとっぷりと沈んでいる。

いや、満腹、ホーント、良い店だったなぁ、としみじみ。

と言いつつも―。

トイレの横に、こーんなポスターが張ってあったのは、一体何だったのだろうか？

ま、御愛嬌、と言う事で。

そして―。

めくるめくグランドケースの素敵な夜も、残念ながら、もうこれで最後。

海外に来て、これだけンマイ！ものがたらふく食えるなんて、ホーント、思いもよらなかった。

おふらんすは良ろしおすぇ～。

そう。

おふらんすは、やはり、食の国なのであり、
今回、とっくりとその真髄を体験させて頂く事ができたように思う。

グランドケース良いトコ、一度はおいで。

カリブの辺境に、こんな素敵な街があると言う事に心より感謝を込めて。

セントマーチン島、記念すべき最初の夜は、
パツーン！と張り込んで、フレンチレストランは、「LE TASTEVIN」 へと行かせて頂いた。

で、次の日は、ちと趣向を変えてやね、

「Sky’s the limit」っちゅう、バーベキューの店を利用させて頂いたんだけど、
いやぁ、良いなぁ、この雰囲気。

どことなく新宿の小汚い焼鳥屋みたいな感じが漂っていて、
店内は、お年寄りから子供まで、地元の人々でワンサカ溢れかえっている。

【参照】　Sky’s The Limit-Lolo-Restaurant-Creole Food St.Martin
（↑　コレコレ、こーんな上品な店じゃぁないっちゅうーの！）

それもそのはず、この店、大概、安いんだわさ。

我々家族三人、結構食べて呑んで、全部で＄40くらい。

うーぬ、前日足を運んだ「LE TASTEVIN」の、約 1/4のお値段である。

しかも、肉やら魚やら、何でもかんでも炭火で焼いてくれた上に、

幾種類かの付け合わせをお姉ちゃんがチョイスしてくれて、
まとめてコンボで頂こうって寸法である。

で、もう昼間っぱらから、大概、呑んで呑んで呑み倒していたにもかかわらず、
心持ち胃に優しそうなバドライトを先ずはオーダーさせて頂いて、っと。

もうねぇ、40過ぎのおっちゃんにとっては間違いなくカロリーオーバーであろうラム肉のコンボを肴に、
目の前には、ビールの空き瓶が、くいっくい並んで行く。
（何で海外では大瓶がないのだ！？）

しかも、この焦げ臭いラム肉が、唸る程めーっちゃビールに合うんだわさ！

額から滴り落ちる汗と共に、こうキュゥッとビールを喉に流し込み、
シャーワセ街道を、一目散に駆け抜けて行く。

しかる後、我々御一行は、素ン晴らしいローカルフードをこってり堪能させて頂いた余韻に浸りながら、
昨晩も通ったレストラン通りの道を、てくてく歩いて帰る。

無論、部屋にはキンキンに冷やした赤ワインが待っているのであり、
煙草を片手に、夜もすがら。

「おふらんす」は良ろしおすえ～。

そう。

そもそも私が、「Grand Case Beach Club」に泊まってやるぜーっ！などと思い至ったのは、
その御近所に、美食の街として知られる「Grand Case」があったから。

ほんで、実際、ディナータイムに、「Grand Case」のレストラン通りへ行ってみると、
おぅおぅ、フレンチやらイタリアンやら、確かに通りを挟んで色んなレストランが所狭しと群居している。
（「Grand Case Beach Club」からは徒歩10分少々の距離。）

で、我々御一行が、先ず最初に行かせて頂いた店っちゅうのがやね、
「LE TASTEVIN」 と言う、フレンチレストラン。

これこそ必死こいてリサーチし倒してようやく見付ける事ができた珠玉のレストラン！
なーんて事ではなく、ブラブラ歩いている中に、毎度お馴染み野生のカンで、適当に選んだ店である。

と言いつつ、結構、小洒落たレストランで、
店内からは徐々に暮れなずんで行く海をやんわりと望む事ができる。

で、カリブビールも、少々、食傷気味だったので、
ここはパツーン！とハイネケンビールからスタートさせて頂く。

また、「おふらんす」と言えば、やはりパンの国。

いやぁ、このパンの匂いがホーント香ばしいこと！

おかげで、パンだけでビールもバンバン進んでしまって、
弱った事に、メインディッシュに辿り着く前に、結構、お腹が膨れてしまったんだなぁ。。。。

すると―。

そんな中、最初に出て来たオードブルっちゅうのがやね、
ふにゃぁ、私の苦手なキュウリがたーっぷりと入ってたんだなぁ、これがまた・・・・。

確かに、地元の新鮮な食材を使っているって事は分かるんだけど、
苦手な物は、やっぱり苦手、
こればっかしは、ホーント、どうしようもない。

と言う事で、最初の一品は、取りあえず一口だけ含んだだけで、チーン。

まぁ、メニューもフランス語で書かれてあって、さーっぱりチンプンカンプンだったし、
こんな不測の事態って、結構、よくある事。

致し方なし、である。

ただ、キュウリ好きの方にとってみれば、
キュウリもシャキシャキしていたし、クリームソースもアッサリとンマかった事から、
恐らく、舌鼓をポンと打つ一品だったのではないだろうか？

そして―。

あいや＝！
このエビ味噌がこってり入ったスープには、ガツーン！とやられてしまったのであーる。

非っ常にンマい！

いや、絶品。

日本料理じゃぁ、この手の味は決して出せないものなぁ。

何せ、普段、鰹と昆布ダシにとっくりと慣れ親しんでいる私。

やはり、こう言ったフォン・ド・ヴォーを使った料理って、中々、食べる機会もない事だし、
余計に、ンマく感じてしまったのかもしれない。

フランス料理は深い！

で、ビールもたらふく頂いた後には、パツーン！と赤ワインも御注文しちゃってやね、
（もつろん、一番安い奴！）
いやぁ、どれだけヘベレケになった所で、歩いて帰れるって良いやね！

ノンベの花はまさしく夜にこそ御開帳なのであーる。

そうこうしている間に、だんだん日も落ちて来て、
Grandcaseの海も、しんなりと眠りにつき始める。

それと歩調を合わせるように、私の瞼も段々と重くなって来て、
メインディッシュのパスタが到着する頃には、すーっかりと酩酊気分。

〆にコーヒーを頂いた後は、

あららら、メタボっ腹には大層応えるチョコレートアイスにまで手を伸ばして、御馳走様！

そして、とっぷりと日も暮れた頃に、
大層千鳥足の日本人が怪しくGrand Caseのレストラン通りに身を溶かす事となる。

モツロン、次の日も、この美食の街へと繰り出してやるぜーーーっ！
なーんて事を固く誓うだけの余力は、どうやら残っているのであった。