マイレージ、マイライフを観る
今更ながら、ようやく「マイレージ、マイライフ」を観る。
けど、この「マイレージ、マイライフ」って邦題は、少々、語弊を招くような気がするなぁ。
洋題は、「Up in the Air」で、うむ、こっちの方がしっくり来る。
マイレージはあくまで副次的な伏線にしか過ぎないように思う。
年間322回もの出張をこなすハードビジネスマン、ライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)は、
「リストラ通告人」と言う職業柄、人に対して、ある一定の距離感を持って臨むようになっていた。
解雇される従業員一人一人にどっぷりと感情移入などしていては、
面と向かってクビを宣告すると言う「リストラ通告人」は決して務まらない。
あくまで「淡々と」業務をこなして行く事が大事なのであり、それが一種の自己防御でもあったのである。
そして、そんな「バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない」と言ったスタンスは、
同僚に対しても、家族に対しても、恋人に対しても、及ぶようになり、
(その事で講演会も依頼されるくらいに。)
いつしかそんなライフスタイルが当り前のようになっていた。
そんな中、ライアンには密かに楽しみにしていた物があった。
通算1,000万マイルの達成である。
年間322回もの出張をこなす御褒美みたいなもんなのだろうが、
殺伐とした業務をこなして行く上で、この事が一つの目標であり、一服の清涼剤みたいなもの。
もし1,000万マイルを達成すれば、
世界で6人しか持っていない特別なコンシェルジュカードを新たに付与してくれる上に、
機材に自分の名前も記録してくれるのだと言う。
(この設定は映画のフィクションだと言う噂だが、その真偽の程は?ちなみにAAの話)
だが、出張費削減のため、
リストラ通告を、オンラインモニターを使って行おうとする会社の新計画が持ち上がり、
今まで自分が築き上げて来た(繰り返して来た)ライフスタイルが崩壊する危機に直面する。
ライアンは、改めて今までの「自分」と言う物を見つめ直し始めるのであった。
とまぁ、とっかかりの概要はこんな感じなのだろうが、
色んな伏線が多くって、結構、面白かった。
佳作だと思う(監督のセンスも良い)。
どんなに悲しい事が起こっても、「Up in the Air」、結局ここに戻るしかないのだろうか?
最後のジョージクルーニーの表情に御注目。