歌舞伎町 利しり オロチョンラーメンに咽ぶ夜
東京出張。
非っ常にしょーむない宴席はサッサと切り上げた後、私はフラフラと、
新宿歌舞伎町にある名物ラーメン屋、「利しり」へと向かう。
いやぁ、沢庵をポリポリやりながら呑むビールっちゅうのも、中々、オツなんだなぁ。
プラス、チャーシューとメンマにネギもっさりの、おつまみセットなんかも注文しちゃったりしてね。
しかも、まるで当然のように、ギョーザまでオーダーしちゃったりしてね。
(毎度の事ながら、どんだけ食うとんねん!)
と言いつつ、このギョーザ、
中には餡もキチンと詰まっており、結構、侮れない味なのであーる。
いやいや、もしかして、私が今まで東京で食べて来たギョーザの中で、
最も好きな味かもしれない。
従って、ビールがビールがススムくんが、この日もまたカツーン!と御登場遊ばされ、
酔いどれ天使、ふにゃふにゃふにゃ。
だが―。
事程左様に、すーっかりと、ぐでんぐでんになっちゃってるにもかかわらず、
〆の一品を注文する事は決して忘れはしない几帳面な男、45歳。
ちなみに、この日は、みそチョンらーめん、辛さ、1。
何でも、この店、辛さを50まで選ぶ事ができるそうなんだけど、
とーんでもない!
辛さ、1でも、額からダラダラ汗が吹き出して来るくらい、超辛いラーメンなのである!?
ところが―。
これだけ、めーっちゃめーっちゃ辛いスープだと言うのに、
これがまたねぇ、良い味出してんだわ。
何でも、スープん中に、スッポンが入ってるそうなんだけど、
妙にコクがあって、ついつい何度も啜りたくなってしまうくらい、非っ常にンマイ!
これと比べると、「蒙古タンメン中本」なんて、ただただ辛いだけだものなぁ。
そして、見よ、この余りに禍々しいスープの色を!
もつろん、この中には、ニンニク爆弾もシコタマ投入させて頂いているのであり、
もう、間違いなく健康には大変よろしくない、あぁ、ナント素敵な色だこと。
うっとり。
と言いつつ、私には、この店でやり残した非っ常に残念な事があるのであった。
実を言うとやね、私ゃ、ここ「利しり」で、チャーハンを食った事がないのである!?
だって、オロチョンラーメンですら、大概、量が多いのである。
張り切ってチャーハンラーメンなんて注文しようもんなら、もう間違いなく自殺行為。
だったら、ラーメンを止めて素直にチャーハンを注文すれば良いのだけれど、
やはり、〆の一品は、ラーメンでこそ。
中年親父の儚い煩悶は、決して止む事を知らない。