夜明けまで15,000マイル

「おふらんす」は良ろしおすえ～。

そう。

そもそも私が、「Grand Case Beach Club」に泊まってやるぜーっ！などと思い至ったのは、
その御近所に、美食の街として知られる「Grand Case」があったから。

ほんで、実際、ディナータイムに、「Grand Case」のレストラン通りへ行ってみると、
おぅおぅ、フレンチやらイタリアンやら、確かに通りを挟んで色んなレストランが所狭しと群居している。
（「Grand Case Beach Club」からは徒歩10分少々の距離。）

で、我々御一行が、先ず最初に行かせて頂いた店っちゅうのがやね、
「LE TASTEVIN」 と言う、フレンチレストラン。

これこそ必死こいてリサーチし倒してようやく見付ける事ができた珠玉のレストラン！
なーんて事ではなく、ブラブラ歩いている中に、毎度お馴染み野生のカンで、適当に選んだ店である。

と言いつつ、結構、小洒落たレストランで、
店内からは徐々に暮れなずんで行く海をやんわりと望む事ができる。

で、カリブビールも、少々、食傷気味だったので、
ここはパツーン！とハイネケンビールからスタートさせて頂く。

また、「おふらんす」と言えば、やはりパンの国。

いやぁ、このパンの匂いがホーント香ばしいこと！

おかげで、パンだけでビールもバンバン進んでしまって、
弱った事に、メインディッシュに辿り着く前に、結構、お腹が膨れてしまったんだなぁ。。。。

すると―。

そんな中、最初に出て来たオードブルっちゅうのがやね、
ふにゃぁ、私の苦手なキュウリがたーっぷりと入ってたんだなぁ、これがまた・・・・。

確かに、地元の新鮮な食材を使っているって事は分かるんだけど、
苦手な物は、やっぱり苦手、
こればっかしは、ホーント、どうしようもない。

と言う事で、最初の一品は、取りあえず一口だけ含んだだけで、チーン。

まぁ、メニューもフランス語で書かれてあって、さーっぱりチンプンカンプンだったし、
こんな不測の事態って、結構、よくある事。

致し方なし、である。

ただ、キュウリ好きの方にとってみれば、
キュウリもシャキシャキしていたし、クリームソースもアッサリとンマかった事から、
恐らく、舌鼓をポンと打つ一品だったのではないだろうか？

そして―。

あいや＝！
このエビ味噌がこってり入ったスープには、ガツーン！とやられてしまったのであーる。

非っ常にンマい！

いや、絶品。

日本料理じゃぁ、この手の味は決して出せないものなぁ。

何せ、普段、鰹と昆布ダシにとっくりと慣れ親しんでいる私。

やはり、こう言ったフォン・ド・ヴォーを使った料理って、中々、食べる機会もない事だし、
余計に、ンマく感じてしまったのかもしれない。

フランス料理は深い！

で、ビールもたらふく頂いた後には、パツーン！と赤ワインも御注文しちゃってやね、
（もつろん、一番安い奴！）
いやぁ、どれだけヘベレケになった所で、歩いて帰れるって良いやね！

ノンベの花はまさしく夜にこそ御開帳なのであーる。

そうこうしている間に、だんだん日も落ちて来て、
Grandcaseの海も、しんなりと眠りにつき始める。

それと歩調を合わせるように、私の瞼も段々と重くなって来て、
メインディッシュのパスタが到着する頃には、すーっかりと酩酊気分。

〆にコーヒーを頂いた後は、

あららら、メタボっ腹には大層応えるチョコレートアイスにまで手を伸ばして、御馳走様！

そして、とっぷりと日も暮れた頃に、
大層千鳥足の日本人が怪しくGrand Caseのレストラン通りに身を溶かす事となる。

モツロン、次の日も、この美食の街へと繰り出してやるぜーーーっ！
なーんて事を固く誓うだけの余力は、どうやら残っているのであった。