トッサ デ マールのビーチで寝転んで その3
見事にお風邪を召してしまった翌日は―。
快晴!快晴!快晴!
待ちに待った好晴がようやく訪れ、気温も程良く、絶好の海日和!
ほんで、幸いな事に、前の晩に飲み込んだルル3錠が、パツーン!と効を発揮し、
熱もなく、体調も割合良い。
もつろん、食欲も戻って来ており、朝から、モリモリ食って、栄養を付けて、
ようやくベストコンディションとなったバカンスを、遅まきながら、愉しもうではあ~りませんか!?
と言う事で―。
この日は、前から気になっていた小さい方のビーチに行ってみる事にした。
(ホテルから煙草2本分くらいの距離)
そして―。
大きい方のビーチとは、やはり、見る景色も違って、
海に浮かべば、件の要塞がニョッコリ目に飛び込んで来る。
(ちょうど要塞の裏側にこのビーチは位置する)
その勇壮な佇まいに、もう、うっとり。
そう言や、以前行ったネルハも、こんな小ぢんまりとビーチだったっけ。
そして、チャプチャプ、チャプチャプ、海辺で漂い、
時折、テントに寝っ転がっては、トップレスのお姉ちゃん達に横目を奪われ、読書に耽る。
日がな一日、この繰り返し。
あぁ、何と言う満足感!何と言う至福の時!
従って、バカンス5日目にして、ようやく手に入れたこの緩慢なる刻に華を添えるべく、
お約束の―。
ビ、ビ、ビールだぜ、コンチクショーーーーーーっ!
やーっとの事、ビールを呑むに相応しい温度まで上がって来てくれたのであーる。
で、海の家みたいな小さなお店屋さんの一角にデンと陣取り、
昼飯がてら、ホットドッグをパクつき、ゴッキュゴキュ、ビールを呑み干す。
いやぁ、この瞬間が、また堪らないのだなぁ。
ほんで、増えて行くアルコールの量と共に、益々、気も大きくなって行き、
あぁ、オッサンの大敵!
ついつい、フライドポテトとハンバーグまで、ご注文してしまうこの私・・・・・。
だが―。
メタボっ腹だろうが、病み上がりだろうが、何だろうが、これぞバカンス!
バカンスと言わずして、何と言おう?
小せぇ事ぁ、気にするな、なのであーる。
しかも、私ゃ、この好天気に巡り合うまで、丸々4日間も無為に過ごして来たのである。
溜まった鬱憤を、カツーン!と解き放たねば!
そう。
わざわざバルセロナまでやって来て、
サグラダ・ファミリアや、グエル公園にもカサ・ミラにも行く事なく、ただただ、好天を待ち続け、
そして、ついには、それが来たならば、
飽く事なく、ぼんやりトッサ デ マールのビーチで耽る。
こんな贅沢な時間の使い方も、やはり、満更ではないのである。