新宿西口、思い出横丁に「つるかめ食堂」あり。
私が、この店へ通い出してから、まだ日が浅い方だと思うんだけど、
このバタ臭い感じが大好きで、ついつい足を向けてしまいたくなる店であった。
熱燗にひじきなんか頼んじゃってみたりしてね。
ついでに、ちくわの天ぷらも頼んじゃってみたりしてね。
また、ある時には―。
卵とウインナーの和えた奴を注文させて頂き、
締めは、パツーン!と納豆ライスだぜ、コンチクショーーーーッ!!
などと言う極めて鉄板の黄金パターンを頂戴させて頂いた事も往々にしてあった。
(密かに、納豆の下には、梅山芋が忍ばせてある。)
ところが―。
去年の秋口に訪れてみると、
突如として、その「つるかめ食堂」がバッサリ無くなってしまっていたのであった。
ありゃま!?どないしたんやろ?
店の元あった場所には、何やら、物々しい白いテントがカツーン!と張り巡らされていて、
試しにその中を覗き込んでみると、
建物自体、完全に取り除かれてしまっており、全くキレイな更地にされていたのであった。
うーぬ、改築でもするんかいな?などと、漠然と思い描いていたのだが、
これがまた、どれだけ経っても、一向に工事の始まる気配すらない。
そのまま年を越し、正月が空け、桜の出始める季節になっても、
やはり、テントはテントのまま。
何だか、ややこしい事になってんのかなぁ、と心配していた所へ、
確か、4月の半ばを過ぎた辺りだろうか?
むむむ?
無粋な白いテントは、すーっかりと取り払われ、
何だかプレハブ小屋みたいな物が、突然、お目見えしたのであった。
ガラスには、「つるかめ食堂」と言う店名と住所が書かれた紙が無造作に貼ってある。
これは、もしかして?
と思っていたら、程無くして、
ヒャッホーーーイッ!
「つるかめ食堂」が復活リオープンしているではないか!?
私は感無量で即座に店へ飛び込み、
勢い、焼酎の水割りとハムカツを注文させて頂く。
でも、あれ?
腰の曲がったオバちゃんは、何にも変わる事なく昔のまんまなんだけど、
厨房の中で料理を作ってるメンバーは、打って変わって、ぜーんぜん知らない顔ばかり。
従前は、妙に味のあるおっちゃんが、
奥の厨房で、ゴシゴシ、フライパンを振るっていたのに、はて?
そう、かねがね不思議に思っていたのだが、先日、その疑問がついに氷解する事となった。
「ザ・ノンフィクション 新宿つるかめ物語」と言う番組が、フジテレビで放映されたのである。
【番組を見たい方は右記】 “ザ・ノンフィクション”新宿つるかめ物語
なるほど~、色んなご苦労があった訳なのだなぁ。。。。。
件の店長さんも、お亡くなりになられていたとは、つゆ知らず、
何だか柄にでもなく、ついついホロリと来てしまったんだけど、
いやいやいや、
私のような「つるかめ食堂」を、こよなく愛し続けているお客さんも大勢いらっしゃる事だろう。
この事を糧に、新しい「つるかめ食堂」として、ずーっと頑張ってって欲しいと心から思っている。
頑張れ!「つるかめ食堂」!
頑張れ!三代目!!
関連ランキング:居酒屋 | 新宿西口駅、新宿駅、西武新宿駅